声に出して読むための第一歩。
実際、現在の受講生の皆さんに聞いてみると、「最近、声が出にくくなった」「滑舌が悪くなった気がする」といった、身体の変化や、人と話す機会が減ったことをきっかけに、なにかないだろうかとッ考えて、朗読にたどり着かれた方が多い様です。
私の朗読室では、単に文章を上手に読むことだけを目的とせず、皆さんが自分自信の「声」と向き合う時間を大切にしています。
今回は、具体的な活動内容と、朗読教室の指導方法についてご紹介します。
1. 教室ではどんなことをするの?
レッスンは、大きく分けて「準備運動」と「テキストの読解・朗読」の2部構成で行っています。
まずは身体の準備から
最初の10分程度は、発声練習や滑舌のトレーニングを行います。
歌舞伎の演目『外郎売(ういろううり)』や早口言葉など、滑舌の教本にある課題を用いて、声を出すための身体を整えます。
「日常会話もハキハキと喋れるようになりたい」という健康・身体的なニーズからスタートされる方も多く、この基礎練習はとても好評です。
テキストの読解と朗読
メインとなるのは作品の朗読です。その日に扱うテキストについて、まずは全員で声を揃えて音読することから始めます。最終的には、抽出したパートを一人ずつ他の受講生の前で発表する形式をとっています。クラスは1グループ5〜6名の少人数制なので、リラックスして取り組んでいただけます。
2. 最大の特徴は「お手本」を示さないこと
当教室が指導において最も大切にしているのは、講師が「このように読んでください」という「正解(お手本)」を示さないという点です。
講師と生徒、あるいは生徒同士であっても、それぞれが持つ声質や個性(個体)は全く異なります。
講師が良いと思う表現をそのまま真似たとしても、それがその生徒さんにとってのベストな表現になるとは限りません。
画一的な「正解」をなぞるのではなく、「その人の持ち前(個性)の上で、何をするのが効果的か」を各自が探求することを重視しています。
「正解」を教えてもらうのではなく、グループレッスンで他者の表現に触れ、それぞれの違いを感じながら「自分なりの表現」を見つけていく。
それが当教室のレッスンスタイルです。
「でも、お手本がないと難しいのでは?」「実際にはどんな楽しさがあるの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。